介護の現場で働く医療専門職の給与事情

老人保健施設やグループホーム、介護付有料老人ホームで働いているのは、介護士だけではない。場所によっては医師や看護師、理学療法士といった専門職も活躍している。こうした人たちは国家資格を持っているので、一般的に介護士よりも給与が高くなっているのが特徴だ。同じ介護業界といっても、何の職業かによって給与や待遇には格差があるといわれている。

例えば医師の場合は多額の年収を受け取ることができるといわれている。介護の業界であっても、年収は一千万円近くになることも珍しくはない。看護師の方は医師よりもはるかに収入は落ちるが、それでも十分に高い水準をキープできているようだ。夜勤に多く入れば年収500万円を狙えることも可能だろう。

また、理学療法士も年収400万円程度の収入は得られるといわれている。非正規の介護士からすれば羨ましいぐらいの高給取りであるが、このように年収の多い職種は、それだけ重い責任を負っているケースが多く、メリットばかりではないのだ。当然介護士とは違った部分で、プレッシャーを感じたり、ハードさを感じたりもしているようだ。

しかも、傾向としては大きな医療機関よりも、介護施設で働く方が給与は低くなってしまっている。なぜなら、病院と介護施設とでは、入ってくるお金の額が違うからだ。病院は薬代や手術代でも儲けることができるが、介護施設では利用者が支払う月額料金以外は入ってくることがないといわれている。予算も決まっているので、スタッフ一人一人に多額の報酬を支払うことはできないのだ。施設によっては国から補助金が出たりすることもあるが、それだけでは不十分である。介護報酬のさらなる引き上げ等を進めて行かなければ、病院と介護施設の待遇の差は埋まることがないだろう。